いままでで一番不思議だったこと

今日の仕事は、ボートに実際に乗って操縦訓練をすることでした。甲板機械は、資格が無くても乗船できるきまりですが、今日は小型一級船舶を取得している人が訓練しました。 先輩機関士がネタにしていた航海士は、頼りない動きながらも大抵のことが出来るのに対し、ネタにしてはいけない感じだった甲板員は不器用さが目立つ感じでした。 ネタにしていいかしてはいけないかは、結局仕事できるかどうかと言うことかもしれないなと思いました。
そのあとは、機関室に戻って機関場の海水ポンプに詰まっていた海藻を除去する仕事をしました。結構大変で、1号発電機を始動、2号発電機を停止、海藻を除去、2号発電機を始動、1号発電機を停止。 4回も機械を触らないと終わることが出来ませんでした。海水ポンプの圧力が下がると発電機が過熱してしまうらしくて、この仕事は結構重要だそうです。機関士は必要ですね。

今日の仕事中に、「次の停泊地の函館でソープにでも行くのか?」と言われました。私は、「給料なくなっちゃいますね。」と答えました。すると、「まぁ3万円くらいだ。」と言われました。 男が多い職場だとありがちな会話ですが、こういう何気ない場面で自分の性について考えることがよくあります。

今日は、性に関して、人生で一番不思議だった体験を綴ろうと思います。あまりにも衝撃的な出来事だったので、実は詳細な記録を残しています。

  • 大学2年生の4月22日、非常に疲れていました。月曜日から金曜日まで毎日対面授業が晩まであったうえ、土日には高校時代の友達を迎えたりしていました。疲労とは裏腹に自意識がどんどん高まっていました。「周りの様に着こなせていないのがつらい。」 「好きな音楽を聴いてるときしか安心できない。」と思っていました。
  • 4月23日には、オシャレをするために表参道に友達を連れて行って結局何も買えなくて落ち込みました。
  • 4月24日には、授業で自分だけ分かったことがあった時、普段は周りに不満を貯めるところなのに、むしろ自信が満ち溢れてきて、ここは楽だ!と思いました。
  • 4月25日には、クラスにいた初恋の女の子に話しかけました。肌を間近で見た時、今までとは違う、もっと細かなところまで見えてくるような感覚がありました。 メイクの仕方や表情から、誰のためにこうしているのか、どんなことを考えているのかまで、なんとなく伝わってくるようでした。   他の子に対してもネイルの塗り方に注目したり、女の子を見る目が変わっているなと思いました。
  • 4月26日には、授業が終わって疲労困憊で2A棟から一の矢学生宿舎まで歩いているときに、猛烈な自信と陶酔に包まれました。
  • 4月27日に起きた時、鏡を見て自分の体に違和感を感じました。自分の顔じゃないように感じたからです。
    人生で初めて男の体あんまり好きじゃないんだよな。という感情が湧きました。そして、NMIXX「Young, Dumb, Stupid」のMVを見て、自分の部屋を同じようにカラフルにしたくなりました。
    自分と違う人格が体を操縦している感覚に陥り、目に見えるものすべてが別の角度で見えるようになりました。たとえば、いつもは理解できる数学の授業が、全く理解できず、自分の爪を眺めるようになりました。
    それと同時に、草花が非常に色鮮やかに見えるようになりました。そして、今まで大学で感じていたような、コンプレックスや陰鬱な感じが一切消え去ったように感じました。
  • 4月28日には、その違う人格に言われたことをこなしていきました。例えば、「マスクとイヤホンとメガネはどれか一つにしろ」と言われたのは明確に覚えています。その甲斐もあってか 他人からの反応も変わり、先輩女子二人が顔を見合わせて「イメチェンした?」と聞いてきたり、普段なら話しかけてこないような美人のクラスメイトから「すみません自分ばっか喋っちゃってトイレ行きたかったら行ってください」と言われました。
  • 4月29日には、PCの壁紙を変えました。大学のスケジュールを壁紙にしていたのですが、猛烈に気に入らなくなり、さきのMVのスクリーンショットを壁紙にしてスタートバーもピンクにしました。
    また、普段は絶対にしない自分の学歴を鼻にかけるような投稿をSNSでしてしまいました。自分が男の体を好き勝手動かせることが嬉しくなってしまったようです。
  • 4月30日に、髪を短くしました。途端に、別の人格の影響がが小さくなりました。豊かさや艶が失われたように感じました。 その一週間は女性の人格と同じ体での時間を共有したことで、まるで自分と女性が一体化しているような非常に官能的な気分でした。そのせいか、特別な関係性などほとんどの精神的なエロいことへの憧れがなくなりました。 同じ場所に精神がある事よりエロいことは無いですからね。「花魁系JK」という漫画があるのですが、主人公が女性であること以外ほとんど同じことが描かれています。 花魁系JK また、この事件があって半年ほどは、「入れ替わり癖」のようなものがついてしまい、色鮮やかなものやキレイな景色を見るたびに、少しの時間人格が入れ替わることがありました。 その間は、物の見方が変わり自分の考えを超えた他者の考えがつぎつぎ浮かんでくるので、ものすごく不思議な気持ちになっていました。 この事件の私の解釈としては、統合失調症や解離性同一性障害のような病気にするほどではないと考えています。大学入学で異性との交遊で高まる自意識と、今まで無茶して作ってきた陰キャオタクのような人格との対立によって生まれたことだと思っています。 疲労で理性が弱まった時に自分の内側で抑えてきた女性的な要素が爆発して、数日体を乗っ取るところまでいったのではないかと思っています。

自分の性について考える時、必ずこの経験を思い出します。なぜなら、この経験を通じて自分は男だ!という確信がなくなってしまったからです。 取り敢えず、自分の体の強さを信じたり、船乗りだったり、男性として生きていますが、精神面では女性の視点が混じります。 フーゾクを利用する際にも、キャストの負担を考えてしまいがちです。提供されるサービスをみる男性的な基準ではなく、キャストの負担とその対価をみるキャスト側の基準で考えています。 例えば、サイトにキャストの顔を公開しているようなフーゾクにはいかないとか、ピンサロは性病感染リスクが高いうえに、対価が安すぎるから行かない。などと考えています。

乗っ取り経験は自分にとって重要な判断や感情にも強く結びついています。例えば、留学の行先をジャカルタにしたのは、この女性人格が同じ年の8月ごろに表れ、「ジャカルタ」と口にしたからです。 また、大学2年生がとてつもなく辛かったのは、この経験を誰にも直接話せなかったことことが大きいです。というのも、この話はなんとなく仲の良い女性に話したかったのですが、そういう人が一人もおらず最初に話せたのが、その次の年の3月。11カ月かかりました。
大学3年生の7月に、MMさんにも話しました。おしゃべりな私がこんな経験を誰にも話せないなんて辛かったなと思います。 一応、男性の友達(またブログで紹介します。)の雑誌に事件についてすぐ寄稿して、5月に同人出版してはいます。だから、このように詳細な記録が残っているのです。 対面で言いたい気持ちは晴れなかったですが、その友達がいなければ、この記憶も流れていたのかな。と思うと、彼は人生にとって重要な人物であったと思います(その人についてもまた書きます)。

今この日記の形で、自分の複雑な姿をある程度わかりやすく読者の方々に紹介できるのは、自分をある程度理解し、認められたからかな。と思っています。 何故なら、大学2年生4月当時のブログは愛読者から「俺と違う文法使ってる?」と言われるほど難解なもので、自分でも話す相手を選ぶほど受け入れがたいものであったからです。 笑い話にはならないですが、興味深い話ではあるのではないかと思っていますよ。


Last modified on 2026-10-07