尊敬している人-いむなドラフト-

今日の仕事は掃除と船洗いでした。船洗いでは、廊下に貼ってある敷物をともに出して水洗いしました。結構量があって大変でした。 そして、昨日の朝佐渡を出発し、今日の朝には青森の沖にいました。海岸沿いに風車が沢山見えて、本州の日本海側には風力発電が沢山ある事を知りました。 津軽海峡に入ったくらいから海が穏やかになり、風も心地よい感じになりました。後ろを見ると知内発電所が見え、前には函館山や五稜郭のタワーが見えました。 最初見た時は、青森と北海道って意外と近いな。と思いましたが、両方北海道でした。

さすがに10日も先輩と一緒にいると話すことも減ってきて、今日はトイレの汚物タンクの話で盛り上がりました。フロートスイッチが壊れた時は、カッパ着てうんち塗れになって交換したらしいです。 しかし、タンクが海水に接している都合そんなに匂いはないそうです。夜ご飯に海鮮丼がでましたが、とろろの主張が強くて、1パック3000円の大トロがあまり味わえませんでした。

船に乗って、他の人と会えないと色んな人のことを思い出します。そこで、今日は人生で尊敬している人の話をしたいと思います。 私は、他人と常に対等な関係に立とうと考えています。そのため、相手に何か教わったら何かを返したり、助け合ったりしてずっとエネルギーだけを受け取り続けるという相手は殆どいないです。 しかし、こんな生き方があったのか、こんな自由でよかったのか。という新鮮な価値を発見させてくれた人、つまり私を自由にさせてくれた人は対等になる事は難しく尊敬が絶えません。 そのような人は対面したことある人のなかでは、未だ2人しかいません。そのうちの1人いむなさんについて書こうと思います。
私がいむなさんと初めて会ったのは、多分高校1年生の頃です。 いむなさんが主宰しているキューブドラフトイベント、いむドラの参加者をTwitterを通じて募集していました。 そこに、キューブドラフトの記事を見て興味を持っていた私が飛び込んでみた。という状態です。 いむドラは遊戯王のキューブドラフトです。 キューブドラフトは説明するのが難しいのですが、主催者が好きなカードを集めてそのカードで参加者と一緒に遊ぶゲームです。 キューブドラフトは古今東西の遊びの中でも、純粋さがかなり高い遊びです。 というのも、主催者が持ち寄ったカードを使ってプレイするので、そこでのテクニックや工夫は大会環境で役に立ちません。あくまで、キューブドラフトの中での意味しかありません。そのうえ、参加賞も無ければ景品も無いです。 ボードゲームと異なり、出会いやコミュニケーション目的要素も少ないです。勿論会話を楽しむことはできますが、そこに主眼はおかれていません。純粋なプレイ体験の面白さを追い求める趣味なんです。

いむなさんは王と呼ばれていた。
当時は、いむなさんは、「ドラフトの王」とbioに自称していたのもあり、周りの人たちから「王」と呼ばれていました。楽しいプレイ体験を追求しているだけなのに、尊敬を集めていたのです。

いむドラの一番すごいところは、純粋な遊び心で多くの人が動いているところです。 アラサー社会人が、休日に楽しみだけを目的で6人集まる。
いむドラは年間50回近く開催されることもあり、その多くが6人でプレイする6ドラです。私以外は、アラサーの社会人でした。高校生の私にとっては、かなりそれが衝撃でした。何故なら、大人になったら実利がないことは皆しなくなる。 もしくは、純粋な楽しさを追い求めている人から人が離れていくと思い込んでいたからです。しかし、いむドラでは昼食も食べずにカードゲームに8時間程度没頭していたのです。それも一人ではなく、仲間とです。 高校や大学の仲間とだけ遊んでいるわけではなく、ドラフト活動を始めてから出会った人もいるようです。このことは、子どものような楽しみは大人になったら捨てないといけないという不安を消し去ってくれました。

つぎにすごいところは、自分の世界の中で積み上げ、発展させ続けるということをしているところです。 普通の人は、何か面白いこと見つけた時そこで終わってしまうんですが、いむドラは見つけた面白いことをベースに新しいことへ発展させることができるのです。 しかも、それは自然科学などではなく、自分で価値を決めた遊びの中でです。
探究が遊びの中にあるのが王たる所以
たとえば、《妖醒龍ラルバウール》と《終焉龍 カオス・エンペラー》は汎用効果を持ち、いむドラに検討された事のあるカードです。あるとき、その2枚の組合せで繰り返し《終焉龍 カオス・エンペラー》を召喚するコンボを見つけました。 その後、はじめはこの組合せは強すぎる。と採用をためらっていましたが、実践投入してみると、そこまで理不尽な強さではないことがわかり、定番のギミックとして定着しました。 最近のカードだと、《蕾禍ノ曝藤》のギミックが凄いと思っています。テーマカードであるこのカードを、以前から使われていたマイナーカード《プレイング・マンティス》、《盛悴のリザルドーズ》や《ジャイアント・メサイア》を組み合わせて、 一つのデッキになるレベルのギミックになることを発見しました。 この二つの例のように、まずドラフトに入るカードを発見する、それをプールに入れた場合の他のカードとのコンボを発見する、強さについての仮説を立てる、実際にプレイして強さを確かめる。という一つの発見で立ち止まらない 流れを毎回こなしています。 他のカードについて発見、仮説と実験を繰り返して1枚1枚のカードが選定されています。 しかもそれは、世界一般の話ではなく、ドラフトという自分の作った世界での話です。私はそれまで、趣味の中でものごとを応用させたり発展させた人を見たことが無く、今まで見つけられなかった新しい扉を開かせてもらったと思っています。

カードゲームは、カードをコレクションしたり大会で優勝をしたりすることを目指せば、目的が達成されるか、限界を感じて諦めればいつか終わりが来ます。 しかし、いむなドラフトのように自分の世界での探究を繰り返すというやり方でカードに向き合うと、凄く芳醇で終わりの来ない遊び方ができると知りました。 他の趣味でもそうです。金銭をどれだけかけたか、どれだけの時間を使ったか、勝負でどこまで行けるかという向き合い方ではなく、好きなものから発見したことを色々試したりしながら、新たな発見へ繋げていくと趣味が自分だけのものになるし 何十倍も奥深くなります。

大人になっても純粋に遊びを楽しめること、趣味の中で探求を続けて発展させること。この二つは私の人生で、趣味や遊びへの概念を変え、大人になる事への不安を大きく和らげました。 私が高校生の時にいむなドラフトの真似をして、キューブドラフトを友達とやっていたら、高3の保護者会で母がその友達の親から「たちばな君のお陰で荒みがちだった息子が楽しく学校に行くようになった。」 と感謝されたそうです。自分がいむドラから受け取ったものが友達にも伝わったのかもしれません。

話が上手くまとまりそうでしたが、真似できたのはこの二つだけで、いむドラはさらに上を行きます。
いむドラは、新しい技術や情報を仲間との協力の中ですぐに取り入れる事です。
他の人との協力の中でさらに進化する。
いむドラは、近年コメジルシさんと言う方と交流が多く、その人の魔法使いドラフトの調整に全面協力しており、お互いのプレイグループで参加しあったり、プールのカードの意見交換をしています。 そして、仲間のプログラマーと協力して独自のツールを作り、今まで面倒だったカードプール管理、効果のサーチ先の参照、日程調整、席決めなど便利な機能を一括で管理できるようにしています。 それにより、快適なプレイ環境が形成されており、現状新たなレベルの遊びになっています。 慕われる頂点にいながら、さらなる進化を繰り返すのがいむドラです。真似のできないレベルの高度な遊びを趣味の中でしているんです。

私にとっていむなさんは、「大人でも純粋に遊んでいいこと」、「趣味の中に探究を取り入れること」この二つを身をもって教えてくれ、さらに大きい背中を見せてくれる存在なんです。 後に知りましたが、いむなさんは、私の通っていた高校の大先輩だそうです。 母校には岸田文雄、かてぃん、斎藤豊作 など、色々な有名人がいますが、私が最も尊敬するのは、いむなさんなんです。


Last modified on 2026-10-10